中国は 史跡保護より ダム作り・・・。

              

中国でSARS騒ぎが起きた年。
わたくしめ、我が父にねだられ、中国を旅しました。
北京から入り、成都に移動し、長江川下りをしつつ、重慶へ、そして上海へ。

何でこんな旅をしたのか、というと・・・。
SARS騒ぎのあったあの年(だったと思う)、長江流域で工事中だった三峡ダムの完成が近づき、完成の暁には流域の景観が大きく変わり、史跡が水没し・・・という甚大な影響が起きるため、旅行会社が景観が変わる前に、とせっせと成都・重慶あたりの観光旅行を売り出していたのでございます。

三国志好きの我が父は、「あの赤壁の戦いの景観も変わるんやで!おとんを連れていかんかい!」と毎日毎日やっかまし~・・・。
ついに根負けして中国旅行に申し込んだのでございます。
その矢先、SARS騒ぎが起こり、会社には「行くな~!キャンセルしろ~!」と散々言われましたが、泣く子と地頭・・・ならぬじじい(我が父のことね)には勝てませぬ。
会社の制止を振り切り、成田から飛び立ちました。

成田から飛び立った時点ではSARSの患者・死者ともに、報道ではまだ広東省近辺に限定されていたのですが・・・。
北京に降り立ったその日、その北京でSARSの死者が・・・。
到着当日は成都・重慶などの四川省周辺ではまだSARS患者確認されていなかったのに、成都・重慶と移動するたび、患者・死者ともに確認され・・・。
報道規制で表に出てなかったんを隠しきれんようになったんちゃうか?というのは我が父の意見。

さて・・・。長江川下り。
長江、三峡ダムの放水が始まる前は約80mの高さの断崖絶壁の底に豊かな長江の水がろうろうと流れている、という感じ。
同好の中国人ガイドさん曰く、「放水完了後はがけの高さが半分くらいくになります~」って・・・。
景観まったく別モンやん!
「三国志にも出てくる白帝城も島になりますし、史跡によっては水没します~」って・・・。
観光資源破壊してエエんかい!
と、ツッコミどころ満載・・・。

エジプトがアスワンハイダムの建設工事の影響で水没する恐れのあったアブ・シンベル神殿を移築させたように、史跡保護なんとかできなかったのかしらん・・・。

頭の中にでっかく「?」が浮かびつつ、SARSに罹患することもなく、無事帰国しました~。

香港では現地の中国人が大勢発症したのに、日本人駐在員で罹患した人がいなかったSARS。
日本人の食習慣に何かが?!と騒がれていましたが、生活習慣の違いが大きかったらしい。
外出から帰ったら手洗い・うがい。毎日入浴する・・・という日本人の清潔好きが功を奏したみたいですね。


感染症対策は手洗い・うがい・毎日の入浴が一番~♪