クラシック・ピアノは、楽譜通りに弾かないとアカン、という掟がある。
でも、その掟って、比較的近現代のもので・・・。
19世紀、それこそ、ショパン・リスト・シューマンが活躍していた頃なんぞは、
楽譜通りになんて弾かず、アレンジ加えてリサイタルやっていた。
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ショパンは、弟子のために、その弟子の技量に合わせ、同じ曲でも楽譜を少しずつ変えていた。
そのくせ、リストが自分の曲をアレンジして弾くと、
「私の曲を勝手に改変した!」と憤慨していた。
父親に「もうリストと付き合うのはやめようと思います」なんて、手紙で書き送っている。
それに対して父親からの返答は・・・。
「パリでリストと付き合いをやめるのは、おまえのためにはなりません」と、
考え直すように諭している。
ショパンは何だか、気難しくて勝手の強いヒト、というイメージが、私のイメージ。
間近にいたら、相当付き合いづらい人物だったんじゃなかろうか。
そんな話を、ピアノのお師匠様としたことがある。
弟子の技量によって変え、出版した楽譜もまた改変したり・・・。
同じ曲でも、ショパンの曲は自筆譜、出版譜、弟子の書写譜・・・。
いろいろとバリエーションがある。
それで、ポーランドでは国家事業として、ショパンの楽譜、全集を出した。
ポーランドの大統領も務めた、ピアニストのパデレフスキによる編集の全集。
こちらはパデレフスキ版(旧全集)と呼ばれる。
それから、ワルシャワの音楽院のエキエル教授による編集の全集、エキエル版(新全集)。
パデレフスキ版はヤマハが日本語版のライセンスを持っていて、
解説が日本語訳されたものが随分前から販売されている。
一方のエキエル版。
日本に入り始めた頃は、ポーランド語版しかなかった。
やがて、英語版が販売されるようになり、その英語版の日本語訳小冊子付きも販売されるように。
現在は、ライセンスをとった出版社によって、日本語版も販売され始めた。
パデレフスキ版もエキエル版も、ショパンコンクールの公式認定楽譜になっている。
コンクール参加者は、どちらかを選んで演奏するのだけれど・・・。
このエキエル版、最新の研究に基づいて校訂されているので、
同じ曲でもパでレフスキ版と全く違うモノになっているモノも多い。
それは、演奏者をかなり戸惑わせる。
私は弾き比べたことがないけれど・・・。
有名どころでは「幻想即興曲」なんか、まるで別の曲弾いてるみたい、という感想も聞いたことが。
これから、変わってくるかもしれないけれど・・・。
私の周囲では、パデレフスキ版をベースに、エキエル版をところどころ参考にする。
そんな使われ方をしているエキエル版。
ブックオフの棚に刺さってることなんてあまりないけれど、
もし書き込みがなく、状態のいいものがあったら、仕入れてもいいかも。
仕入れ値にもよるけれど。
何で今日、ショパンネタかと言うと・・・。
今年は5年に1度のショパンコンクール開催年だし。
講談社の「ピアノの森」も完結に向かってるし・・・。
クラシック系は、ショパンは今年キーワードのヒトツ、やでぇ・・・。
ワルシャワ、行ってみたいなぁ・・・。