日別アーカイブ: 2016年6月3日

きっと今 至福の時を 生きている〜高須帝国の逆襲を読んで〜

              

年齢差20歳のカップル。
ドクター高須と西原理恵子さん。
「ダーリンは70歳」という二人の交際を描いた漫画、大ヒット中。


このへっぽこアホアホサイトでも、バレンタインデーの記事でこの書籍紹介。
版元の小学館のおエライさん方、なんでこの本が売れているのか、わからないんだとか。
理由は、とってもシンプルやと思うけど・・・。
大丈夫かい、私が大学時代、バイトで出入りした出版社。

他人の恋話(コイバナ)、興味ある、ヒトは世の中にぎょうさんいてはるやん。
だからこそ、恋愛映画とか、恋愛小説とか、恋愛ドラマとかが世の中に提供されるんやし。

その恋話が、フィクションではなく、テレビで見かけるヒトが主人公。
高須先生と西原理恵子さん、20歳離れたカップル?!
どんな恋愛模様が描かれてるんやろ?
そう思って、書店で手にしたヒトは結構いたと思う。

そこに描かれているのは、決して甘ったるい恋ではない。
初版の帯には「新世紀バカップル」なんて書かれてるけど、
ただただ、大笑いさせられるだけの内容ではない。
ここで描かれているのは、人生の終わりを意識した、切ない恋。

でも、世界美容外科学会の会長で、フリーメーソンのエラいヒトである、
ドクター高須が蹴り入れられたり、エラい描かれ様。
大笑いさせられた後に、しんみりと泣かされる、そんな味わい深い本。
売れないはずがないやん。

さて、エラい描かれ様のドクター高須。
反撃(反論?)するぞ!と「高須帝国の逆襲」という本を上梓した。


発売5日で絶版に・・・。

どんな反撃してはるんやろ?
そう思いつつ、発売日に入手して、イッキ読み。

しかし!
反撃らしい反撃は、ニューオータニでの恥ずかしい一件だけ。
あとは、20歳年下の、自慢の彼女への愛情があふれた、心温まる内容。

ドクター高須と西原さんの出会いは、10年以上前。
その後、西原さんは夫だった、戦場カメラマンの鴨志田さんを見送り、
ドクター高須も、奥様とお母様を見送った。
しかも、相次いで。

鬱状態に陥り、もういつ死んでもいいや、とさえ思っていたドクター高須。
その状態から救い上げたのは、西原さん。
やがて、二人の間に、恋愛感情が生まれた・・・。

ここに描かれてるのは、結婚なんて意識しない、シンプルな男女の恋。
世間のしがらみに縛られることもなく、ただひたすらに、相手を想う恋。
読んでいて、うらやましくなる。

ドクター高須は、江戸時代からお医者さんをやっている旧家に、100年ぶりに生まれた男子。
生まれた時から、医者になることが決められていた。

跡取り息子として、家業の医業を継ぐべく医師となり、
大学時代の同期生と結婚して3人の息子をもうけ、
その息子たちも医師・歯科医師に育て上げた。

跡取り息子として、夫として、父親としての務めを立派に果たし終えた。

もちろん、今も高須病院、フリーメーソン、ドクター高須が果たすべき役割はたくさんあるけれど。

きっと今は、神様が与えてくれた、ご褒美の至福の時間。

何のしがらみに縛られることもなく、ただひたすらに、相手の笑顔が見たい、と願う。
ピュアでシンプルな恋をして過ごす、穏やかな至福の時間。
時々、蹴りを入れられるけど。

これから先も、ずっとずっと、春になったら、二人で並んで桜を見ていてほしいな・・・。